浮気などが発覚したことで問題となり、離婚問題にまで発展するというケースが連日テレビでも放送されています。今回は行政書士の立場として、離婚について考えていきたいと思います。
離婚の種類は?
協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚があります。
そのうち、日本においては85%以上が協議離婚によって離婚が成立しています。協議離婚とはその名の通り、夫婦が話しあって離婚を決定することです。
離婚と言えば弁護士というイメージがかなり強いですが、
行政書士としては、この協議離婚における離婚協議書作成を業務とすることができます。
離婚協議で決めておくことは?
親権、養育費、面接交渉、慰謝料、財産分与、婚姻費用分担などです。
面接交渉とは親権を持たない親が子供と交流することができる権利です。
上記などの内容を離婚協議書に記載していくことになります。
また、離婚協議書は公正証書にしておくと、離婚協議に記載した内容が履行されない場合は、差押えをすることが可能になるので、離婚公正証書の作成をお勧めします。
既婚者との浮気が発覚した場合
民法770条では
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができると規定されています。その内容の一つに
配偶者に不貞行為があったとき
と規定されています。
つまり浮気は不貞行為として離婚原因として認められています。
どこまでが浮気になるの?
民法では浮気という言葉はなく、不貞行為という表現で表されています。
不貞行為とは
「配偶者のある者が、自由な意思に基づいて配偶者以外の異性と関係を持つこと」とされています。
つまり法律的には浮気(不貞行為)とは配偶者以外の異性と性的関係を持つことを指すとされています。
結婚をすると貞操義務が発生するので、不貞行為はこの貞操義務違反になります。
ただ、上述した
民法770条には
その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
とも規定されていますので、
性的関係を持つこと以外でも、離婚原因になる可能性はあります。
浮気をするリスク
貞操義務違反をすると、浮気をされた方は慰謝料を請求できます。
その根拠は民法709条、710条に規定されています。
709条は不法行為について規定されています。
不法行為とは
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う
と規定されています。
交通事故などをおこした場合の治療費などがわかりやすいでしょうか。
そして、
710条で
他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず〜(以下省略)
と財産権以外の損害賠償についても規定されています。
つまり、不貞行為をすることによって、不法行為に基づいて慰謝料を請求することが可能になります。
これは、例えば浮気をした夫だけではなく、浮気をしていた相手方の女性に対しても請求することが可能になります。
軽い気持ちでお付き合いをしていたら、いきなり内容証明がおくられてきて、慰謝料を請求されるなどのこともありますので、浮気をすることで大きなリスクを持つことになります。
慰謝料とはどんなもの?
例えば、精神的な苦痛等に対する賠償を慰謝料と言います。
離婚問題について
行政書士ができることは、離婚協議書、内容証明の作成などです。
誰に相談すればいいかわからない。という方は、一度行政書士に相談してください。行政書士業務を超える部分に関しては、提携している弁護士なども紹介してくれるはずです。
まとめ
浮気をする慰謝料の支払い以外でも様々なリスクを背負うことになります。
日本では協議離婚の割合が多数ですが、裁判までいくと調停など長期になることも想定されます。
しかし、それ以上に浮気などをすることで、大切な人を傷つけてしまう。ということを忘れてはいけないと思います。
行政書士として浮気における離婚のリスクについて書いてきました。参考になれば幸いです。