マンションや一軒家などでも、反復継続的に不特定多数に向けて、宿泊料を得る場合は旅館業法の適用を受けることになります。
大阪では、一定の要件を満たすことで外国人滞在施設経営事業の特定認定(いわゆる特区民泊の許可)を取得することができます。
この特区民泊の許可は、通常のホテル等が必要となる旅館業許可よりも要件が緩和されて許可取得が可能で、また許可を取得することで合法的に民泊の営業をすることが可能になります。
大阪でも多くの民泊業者が現在特区民泊の許可を取得し、合法的に営業を行っています。
大阪で民泊の営業を行うためには、上述した通り特区民泊の許可を取得する必要がありますが、
それでも特区民泊の許可を取得しないで(いわゆる 無許可営業)、民泊の営業を行っている業者もまだまだ多いのが現状です。
当然無許可営業は、法令違反となりますので行政指導や刑罰の対象になります。
そこで、観光庁は民泊仲介サイトの事業者に対して、「違法民泊物件の仲介等の防止に向けた措置について」という通知を出しました。
今回は、この通知がどのようなものであるのか?ということについて、簡単に考えていきたいと思います。
大阪で特区民泊の営業を考えている方の参考になれば幸いです。
何故今回の通知が出されたのか?
上述した通り、民泊サービスを提供する場合は、国家戦略特区制度に基づき行われるものを除いて、旅館業法の許可が必要になります。
しかし、無許可で営業を行っている違法民泊業者がまだまだ多く、そのことにより安全面・衛生面の問題や、騒音等による近隣の生活環境の悪化といった問題が発生しているといった問題が起こっています。
その要因の一つとして、民泊中開催とに違法な民泊サービスを提供している物件が掲載されているということが指摘されているため、今回の通知が出されたと考えられます。
違法民泊を解消するために新法が成立
上述した通り、違法民泊業者が多いという現状があるため、民泊サービスの適正な運営を確保しつつ、健全な民泊の普及を図ることを目的とした住宅宿泊事業法が国会で成立し、平成30年6月15日に施行されることになっています。
この住宅宿泊事業法は一定の要件のもと180日を上限に民泊の営業を認めるというものですが、詳しくは別の記事で後日記載していこうと思いますので、今回は省略します。
民泊仲介サイトの運営事業者はどのようなことをしなければならない?
民泊仲介サイトにおいて、運営事業者は以下のことを確認する必要があります。
1、旅館業法に基づく許可物件の場合
以下の項目について、営業者からの深刻に基づき確認が必要
・保健所等から通知される許可番号
・施設の所在地
※保健所等から許可番号が通知されていない場合は、許可番号に代えて以下の項目について確認
・営業者名
・許可を受けた年月日
・許可を受けた保健所
2、国家戦略特区制度に基づく認定物件の場合(特区民泊)
・施設の名称
・施設の所在地
ただし、マンスリーマンションについては、一時的な宿泊を主な業務とする上記施設と混在させて民泊仲介サイトに掲載させることは適切でないため、別サイトにおいて管理することが望ましいとされています。
3、住宅宿泊事業法の届出をして合法的に民泊を行う場合
住宅宿泊事業法では、平成30年3月15日以降に、住宅宿泊事業法の届出を行うことが可能になるとされています。
したがって、当該届出を行った業者については、仮の届出番号が確認できた場合には、平成30年6月15日以降に届出を行った物件が合法になるという旨を明記した上で宿泊事業法の施行日前であっても民泊仲介サイトへ掲載することが可能であるとされています。
無許可業者は掲載できなくなる?
これからは、違法な物件が民泊仲介サイトに掲載されていることを観光庁において確認して場合は、その物件を掲載している民泊仲介サイトを運営する事業者に対して、観光庁がその物件に関する情報を削除すること等を要請されることになってきます。
つまり、削除を求められた民泊仲介サイトの事業者は、観光庁からの求めに応じ、速やかに、運営する民泊サイトから当該物件に関する情報を削除すること等の必要な措置を講じることが必要になります。
したがって、今後は無許可業者については、企業側がコンプライアンスのため、民泊仲介サイトへの掲載を拒否していくということも出てくると考えられます。
まとめ
大阪で合法的に民泊を行う為には、特区民泊の特定認定(特区民泊の許可)を取得する必要があります。
無許可で民泊を行うことは当然違反ですので、相応の罰則を受けることになります。
無許可業者に対する罰則が厳しくなっておりますし、また今回の通知によって仲介サイトに掲載することも難しくなってきます。
無許可で民泊を行うことはリスクでしかありませんので、民泊の営業を行うときは必ず許可を取得してから営業を開始する必要があります。
今回は、観光庁から出された民泊仲介時業者に対する通知について考えてきました。
大阪で民泊の許可取得を考えている方の参考になれば幸いです。