建設業許可

建設業許可を取得する際に定款で注意すべきこと

法人で建設業許可を新規で取得する場合に、提出すべき書類の一つに定款があります。

今回は、建設業許可申請において、事前に知っておきたい定款のことを書いていきたいと思います。

建設業許可の取得を検討している事業者の方の参考になれば幸いです。

法人ではなく、個人(一人親方等)で建設業許可取得を検討している事業者の方は、以下の記事を参考にしてください。↓

定款とは


建設業許可申請における定款の注意点について話を進めていく前に、簡単に定款について説明をしておきます。

定款とは「ていかん」と読み、会社の憲法にあたるものです。つまり、会社を運営してく上でのルールになりますので、会社設立をする際には必ず作成しなければならないものになっています。

この定款には、どの会社にも必ず記載しなければならないものがあります。
これは法律用語で「絶対的記載事項」と呼ばれています。

絶対的記載事項の記載内容

絶対的記載事項には、以下の内容を記載しなければなりません。

・目的
・商号
・本店の所在地
・設立に際して出資される財産の価格または最低額
・発起人の氏名または名称および住所
・発行可能株式総数

等については、全ての会社に記載されています。

詳しくは法務省で公開されているホームページでも確認できるので以下に掲載しておきます。↓

建設業許可を取得するにあたり重要な内容について


建設業許可を取得する際には、特に「目的」と「出資される財産の価格」が重要になってきます。

目的について

建設業許可申請を行う時に、会社の定款を提出する必要があることは上述したとおりです。

申請の際に、会社の目的が確認され、この目的欄に申請会社が取得したい建設業の内容が目的として記載されていることが必要になります。

例えば、「熱絶縁工事」や「建具工事」等、自社が取得したい建設工事の事業目的が必要になります。

ただし、大阪では「建設業」「土木建築工事の施工、請負」等で、建設工事の29業種に該当するものとみなしてくれますので、必ずしも具体的な建設業の目的が必要であるということではありません。

しかし、申請する都道府県によっては、具体的な目的の記載が求められる可能性がありますので、注意が必要です。

建設業を行う旨の目的が記載(登記)されていない場合

上述したとおり、法人で建設業許可を取得するためには、定款の目的に建設業を行う旨の規定が必要です。
当然、目的は絶対的記載事項であるため、定款に記載されている目的が登記されて登記事項証明書に反映されていることになります。

しかし、もともと建設業を行っていなかった場合や、そもそも設立時に間違った内容の目的を登記しているような場合で、必要な目的が規定されていないケースも考えられます。

その時は、当然、定款を修正し、新しく目的追加(変更)の登記を行わなければ建設業許可申請を行うことができません。

しかし、大阪では例外として、「次回の決算変更届には、今回の申請業種が確認できる事項を追記した定款を添付し、商業登記簿謄本も変更する」旨の誓約書を提出することで、建設業許可申請の時点での目的追加(変更)の手続きをしないで許可申請を受け付けてもらうことができます。

当然、誓約書の内容に次回の決算変更届までに目的を追加(変更)し、登記するということになっているので、決算変更届の際に新しい定款及び目的が追加(変更)された登記事項証明書を提出することが求められるので忘れないように注意が必要です。

決算変更届については、以下の記事で詳しく解説をしています。↓

出資額について

建設業の許可を取得するためには、資本金500万円以上が必要になります。

そのため、500万円以上の出資をしておかなければなりません。

ただし、資本金が300万円でも銀行等から発行される預金残高証明書に500万円以上入っていることが確認できれば、必ずしも資本金として500万円が必要であるということではありません。

残高証明書については、以下の記事で詳しく解説をしています。↓

商号や所在地変更をしている場合は注意


会社の商号や本店所在地等の変更が行われている場合は、注意が必要です。

多くの会社は、商号変更や所在地の変更を行った時に、法務局で行う法人登記の変更は忘れずに行っています。(ちなみに登記変更は司法書士が行います。)

しかし、定款の書き換えを行っていない事業者が多く存在しています。

本来は、定款の内容は最新のものにしておく必要がありますので、変更が生じた場合は、その都度修正をしておく必要があります。

最新定款になっていない場合は、建設業許可申請の際に、登記の内容(法人の登記事項証明書で確認されます。)と定款の内容が異なっているため、申請を受け付けてもらうことができません。

そのため、商号の変更や所在地の移転等の変更があった場合は、必ず定款を最新のものにしてから申請をするようにしなければなりませんので注意が必要です。

まとめ


今回は、建設業許可を取得する際に、知っておきたい会社の定款について考えてきました。

建設業の許可を取得するためには、多くの書類が必要になります。

また、本当に許可を取得できる条件が整っているのか等もわかりにくいですので、法務の専門家である行政書士等に相談することも選択肢の一つとして有効です。

今回の記事が建設業許可の取得を検討している方の参考になれば幸いです。

建設業許可については、以下の記事でも解説をしています。↓

関連記事

最近の記事

  1. 介護分野の特定技能協議会の加入について

  2. 大阪で民泊許可をもらうために役立つエントリー

  3. 大阪で古物商の許可申請をする際に役立つエントリー

  4. 沖縄県で建設業許可申請をする時に役立つエントリー

  5. 特区民泊の許可実績について