在留資格

経営管理の在留資格を取得するための必要書類について

外国人の方が日本で会社を設立して経営していく活動を行うような場合は、在留資格「経営管理」を取得することになります。

「経営管理」ビザは、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格と同様に就労ビザの種類に分類されますが、「経営管理」という名称のとおり、事業を経営又は管理することを主たる目的として活動していくことになります。
この点、雇用されることが前提となる「技術・人文知識・国際業務」の在留資格とは少し異なります。

当然、「経営管理」の在留資格を取得するためには、出入国在留管理局に在留資格を取得するための疎明資料等を提出していくことになります。

今回は、「経営管理」ビザの取得に必要となる書類について考えていきたいと思います。

「経営管理」ビザの取得を検討している外国人の方の参考になれば幸いです。

在留資格「経営管理」とは


「経営管理」の在留資格は、

日本において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動

を言います。

具体的には、企業等の経営者や管理者が該当します。

経営管理ビザを新規で取得する際の必要書類

経営管理ビザを取得する際には、それぞれのカテゴリーにあった書類を準備し、提出することになります。
カテゴリーには「カテゴリー1」「カテゴリー2」「カテゴリー3」「カテゴリー4」があり、それぞれによって、準備する書類が少し異なります。

カテゴリー1の必要書類

以下のいずれかに該当する機関が「カテゴリー1」に該当します。

(1)日本の証券取引所に上場している企業
(2)保険業を営む相互会社
(3)外国の国又は地方公共団体
(4)日本の国・地方公共団体認可の公益法人
(5)高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)
(6)一定の条件を満たす企業等

上記(1)~(6)の企業が「カテゴリー1」の企業に該当します。

このケースの場合の必要書類は、

1,在留資格変更許可申請書
2,申請人の写真(縦4㎝×横3㎝)
3,申請人のパスポート及び在留カード
4,・四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)
・主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)
・高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)であることを証明する文書(例えば,補助金交付決定通知書の写し)
・上記「一定の条件を満たす企業等」であることを証明する文書(例えば,認定証等の写し)

等が必要になります。

カテゴリー2の必要書類

以下のいずれかに該当する機関が「カテゴリー2」に該当します。

(1)前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人
(2)在留申請オンラインシステムの利用申出の承認を受けている機関

上記(1)(2)の機関が「カテゴリー2」の企業に該当します。

このケースの場合の必要書類は、

1,在留資格変更許可申請書
2,申請人の写真(縦4㎝×横3㎝)
3,申請人のパスポート及び在留カード
4,・前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
・在留申請オンラインシステムに係る利用申出の承認を受けていることを証明する文書(利用申出に係る承認のお知らせメール等)

等が必要になります。

カテゴリー3の必要書類

以下に該当する機関が「カテゴリー3」に該当します。

前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く)

このケースの場合の必要書類は、

1,在留資格変更許可申請書
2,申請人の写真(縦4㎝×横3㎝)
3,申請人のパスポート及び在留カード
4,前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
5,申請人の活動内容等を明らかにする次のいずれかの資料 
日本法人である会社の役員に就任する場合
(1)役員報酬を定める定款の写し又は役員報酬を決議した株主総会の議事録(報酬委員会が設置されている会社にあっては同委員会の議事録)の写し 1通
外国法人内の日本支店に転勤する場合及び会社以外の団体の役員に就任する場合
(2)地位(担当業務),期間及び支払われる報酬額を明らかにする所属団体の文書(派遣状,異動通知書等) 1通
日本において管理者として雇用される場合
(3)労働基準法第15条第1項及び同法試行規則第5条に基づき,労働者に交付される労働条件を明示する文書(雇用契約書等) 1通
6,日本において管理者として雇用される場合,事業の経営又は管理について3年以上の経験(大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間を含む。)を有することを証する文書
(1)関連する職務に従事した機関並びに活動の内容及び期間を明示した履歴書 1通
(2)関連する職務に従事した期間を証明する文書(大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間の記載された当該学校からの証明書を含む。) 1通
7,事業内容を明らかにする次のいずれかの資料
(1)当該事業を法人において行う場合には、当該法人の登記事項証明書の写し(法人の登記が完了していないときは,定款その他法人において当該事業を開始しようとしていることを明らかにする書類の写し) 1通
(2)勤務先等の沿革,役員,組織,事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が詳細に記載された案内書 1通
(3)その他の勤務先等の作成した上記(2)に準ずる文書 1通
8,事業規模を明らかにする次のいずれかの資料
(1)登記事項証明書(※7(1)で提出していれば提出不要)
(2)その他事業の規模を明らかにする資料 1通
9,事業所用施設の存在を明らかにする資料
(1)不動産登記簿謄本 1通
(2)賃貸借契約書 1通
(3)その他の資料 1通
10,事業計画書の写し 1通
11, 直近の年度の決算文書の写し 1通

等が必要になります。

「経営管理」ビザにおける事業計画書については以下の記事で解説をしています。↓

カテゴリー4の必要書類

以下に該当する機関が「カテゴリー」に該当します。

上記「カテゴリー1」~「カテゴリー3」に該当しない団体・個人

このケースの場合の必要書類は、上記「カテゴリー3」の書類に加えて

1,前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できない理由を明らかにする資料
源泉徴収の免除を受ける機関の場合
(1)外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料 1通
上記(1)を除く機関の場合
(2)給与支払事務所等の解説届出書の写し 1通
2,次のいずれかの資料
ア (ア)直近3か月分の給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(領収日付印のあるものの写し) 1通
イ (イ)納期の特例を受けている場合は,その承認を受けていることを明らかにする資料 1通

等が必要になります。

「カテゴリー1」と「カテゴリー2」は必要書類が大幅に軽減される


上述した必要書類に記載したとおり、「カテゴリー1」と「カテゴリー2」の企業等で経営管理ビザを取得する場合、大幅に必要書類が省略されています。
これは、上場企業等であることから、企業としての信用力が高いからであると考えることができます。

多くの外国人の方は、新設法人の設立等で、「経営管理」ビザを取ることが多いので、「カテゴリー3」や「カテゴリー4」に該当し、多くの必要書類を入国管理局に提出することになります。

許認可が必要な事業を行う場合は要注意


「経営管理」ビザを取得する際に、飲食店等の営業許可が必要な事業を行う場合は、「経営管理」ビザの申請する前に、営業許可を取得し、申請時に許可証の写し等を提出することが求められますので、営業するための準備もしっかり行った上で申請していくことになります。

その他「経営管理」ビザ取得についての注意点等は、以下の記事でも解説をしています。↓

まとめ

今回は、「経営管理」ビザを取得する時に必要な書類について考えてきました。

在留資格取得後は、在留期間の更新をしていく必要がありますので、「経営管理」ビザを取得できたからといって、日本に永住できるということではありません。

赤字が続いたり、債務超過に陥っている場合等は、在留期間の更新ができない場合等もありますので、事業運営をしっかりと行っていく必要があります。

今回の記事が「経営管理」ビザを取得を検討している方の参考になれば幸いです。

「経営管理」ビザの在留期間更新については、以下の記事でも解説をしています。↓

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