中古品等の売買を行うためには、古物商許可を取得する必要があります。
古物商許可は、営業所を管轄する警察署に提出することになりますが、古物商許可申請書以外にも添付しなければならない書類があります。
必ず添付しなければならない書類を法定添付書類と言いますが、警察署によっては、この法定添付書類以外にも追加で提出を求められる書類があります。
その一つの書類が「使用承諾書」です。
そこで、今回はこの「使用承諾書」について考えていきたいと思います。
古物商許可の取得を検討している方の参考になれば幸いです。
古物商許可全般については、以下の記事で解説をしていますので参考にしてください。↓
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使用承諾書とは?
使用承諾書とは、例えば、貸主(オーナー)が借主(古物商申請者)に対して、「確かに古物営業を行うことを認めています。」ということを疎明する書面になります。
つまり、仮にブランド品の買取店をオープンするとなった場合に、店舗を賃貸したようなケースで必要になります。
そのため、自身が所有する建物で古物営業を行う場合は、使用承諾書を求められることはありません。
使用承諾書は絶対に必要?
使用承諾書は、上述したとおり法定添付書類ではありません。
そのため、古物商許可を申請する時に必ず必要になるという書類ではありません。
例えば、門真警察や摂津警察等などでは使用承諾書がなくても申請を受理してもらえます。(今後運用が変わり、求められる可能性はありますが。)
しかし、古物営業を行っている事業者が多い、南警察署等では、使用承諾書の提出を求められるため、各警察署のローカルルールには注意が必要です。
使用承諾書は取得しておいた方が良い?
上述したとおり、古物商許可を取得するにあたって、使用承諾書がなくても申請が可能な警察署は沢山存在しています。
そのため、使用承諾書が必要ない場合は、あえて使用承諾書を取得しなくても問題にはなりませんが、オーナー側が古物営業をすることを知らない場合は、念のために取得しておいた方が、後の問題を回避することができ、リスクヘッジになります。
例えば、古物商許可を受け、営業を開始した後に、オーナーが古物営業をしていることを知り、「そのような目的で店舗を貸していない。」と言われてしまうと、営業がストップしてしまう可能性があります。
警察は民事不介入なので、このケースで揉めたとして、介入して助けてはくれません。
そのため、使用承諾書が不要なケースであっても、オーナー側に説明をして納得してもらったうえで、使用承諾書を書いてもらえると、安心して営業を行うことができるようになります。
恐らく、使用承諾書を求める警察署は、上記のような問題を事前に回避するために、使用承諾書の提出を求めていると考えることができます。
使用承諾書の様式(ひな形)はあるの?
使用承諾書は、承諾者や古物営業をすることを承諾する建物等が明確に記載されていれば、形式は問われませんが、一般的な様式(ひな形)を以下に掲載しておきます。↓
使用承諾書の書き方は?
使用承諾書は、貸主(オーナー)に記載してもらう必要があります。
店舗の賃貸をしている場合は、管理会社等に連絡して、取り次いでもらうことが多いと思います。
使用承諾書の書き方の記載例を以下に掲載しておきます。
使用承諾書を提出する時の注意点
使用承諾書は、コピーではなく当然原本を提出する必要があります。
法人で古物商許可を申請する場合、定款等はコピーで問題ありませんが、使用承諾書や登記事項証明書等は必ず原本提出ですので、間違えないように注意が必要です。
個人から法人成りして古物商許可申請をする場合については、以下の記事で解説をしてます。↓
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まとめ
古物商許可申請は警察署に対して行うことになりますが、古物商許可以外にも深夜酒類提供飲食店営業の届出等、警察署の手続きにはローカルルールというものがあり、法定添付書類以外の書類を求められるケースがあります。
そのため、行政手続きに慣れていない場合は、何度もやり直しが必要になるケースも発生し、許可取得まで時間がかかることがあります。
そのような無駄な時間を避けるため、行政書士に相談することも選択肢の1つとして有効な方法です。
今回の記事が古物商許可の取得を検討している方の参考になれば幸いです。
会社を設立して、古物商許可の取得を検討している方は、会社設立(定款作成)についての記事も参考にしてください。↓
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