一般的に日本で働くためには就労ビザ(「技術・人文知識・国際業務」「経営・管理」「技能」等)を取得する必要があります。
それぞれの在留資格には当然条件があり、誰でも取得できるというものではありません。
そこで、今回は就労ビザの中でも「技能(タイ料理人)」の在留資格について解説をしていきます。
在留資格「技能」でタイ料理人を日本に呼びたい方の参考になれば幸いです。
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在留資格「技能」とは?
在留資格「技能」とは、以下に該当する活動を行う場合に取得できる在留資格です。
つまり、出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令に該当する活動です。
例えば、外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機の操縦者、貴金属等の加工職人等の活動が該当します。
出入国在留管理庁からも上記の基準がわかりやすく公表されています。↓
<参照:出入国在留管理庁 該当する活動・上陸許可基準についてより抜粋>
調理師としての活動を行う場合の在留資格「技能」について
技能の在留資格には大きく分類して「調理師」として活動を行う場合と、調理師以外の活動を行う場合とで2つに分けることができます。
また、さらに「調理師」として活動を行う場合には「タイ料理人」の場合と、「タイ料理人以外の調理師」の場合に分けることができます。
今回は「タイ料理人」を呼ぶ(雇用)する場合について解説をしていきます。
実務経験について
通常、在留資格「技能」で調理師としてビザを取得する場合には10年の実務経験(外国の教育機関において当該料理の調理又は食品の製造に係る科目を専攻した期間を含む。)が必要です。
ただし、タイ料理にの場合は、実務経験が5年あれば在留資格「技能」を取得することができます。
※根拠は「経済上の連携に関する日本国とタイ王国との間の協定附属書七第一部A第五節1(c)の規定」です。
注意点としては、料理人であれば誰でも技能ビザを取得できるわけではなく、「外国において考案され日本において特殊なものを要する業務に従事することが必要です。」
例えば、牛丼チェーン店等で料理人として技能ビザを取得することは当然できません。
スリランカカレーやタイ料理等、その国の料理人が取得している技能を駆使して料理等をするもに限られます。
実務経験の証明方法は?
実務経験を証明する方法としては、例えば、勤務先等から発行される在職(在籍)証明書等が考えられます。
在職(在籍)証明書には、雇用期間や従事していた業務内容、役職等を具体的に記載して、勤務先から発行してもらうことが求められます。
最近は、在留資格に関する審査も厳しくなっているので、発行された在職(在籍)証明書に疑義等がある場合は、不許可になりますので、具体的に記載して、会社の存在を疎明する必要もあります。
新規で技能ビザを取得するための必要書類は?(タイ料理人の場合)
新規で技能の在留資格を取得する場合の一般的な必要書類は以下のとおりです。
②証明写真
③返信用封筒
④前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
⑤従事する業務の内容を証明する所属機関の文書
⑤申請に係る技能を要する業務に従事した機関及び内容並びに期間を明示した履歴書
⑥(1)タイ料理人として5年以上の実務経験を証明する文書(タイ労働省が発行するタイ料理人としての技能水準に関する証明書を取得するための要件を満たすために教育機関において教育を受けた期間を含む。)
(2)初級以上のタイ料理人としての技能水準に関する証明書
(3)申請を行った日の直前の1年の期間に、タイにおいてタイ料理人として妥当な報酬を受けていたことを証明する文書 (給与明細やタイの納税・課税証明書に準ずる書類等)
⑦労働条件通知書、雇用契約書等
⑧事業内容を明らかにする次のいずれかの資料
(1)勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が詳細に記載された案内書
(2)その他の勤務先等の作成した上記(1)に準ずる文書
(3)登記事項証明書
⑨直近の年度の決算文書の写し
等の書類が必要になります。
新規でタイ料理店を開業する場合は?
例えば、新しくタイ料理店をオープンするために会社(個人事業)を始める場合には、上記の書類(直近年度の決算文書や前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表等)を提出できない場合があります。
その場合は、以下の書類を作成等をして、提出することが求められます。
②給与支払事務所等の開設届出書の写し、納期の特例を受けている場合は、その承認を受けていることを明らかにする資料等
事業計画書については、最低でも1年後の売上見込み等を合理的に算出し、事業として成立することを疎明する必要があります。
また、給与支払開設届等を税務署に適切に提出していること等も必要になります。
技能ビザの在留期間は?
技能ビザの在留期間は5年、3年、1年又は3ヶ月となっています。
通常の新規申請の場合は、1年の在留期間が付与されることが一般的です。
まとめ
今回は、在留資格「技能」(タイ料理人)について考えてきました。
在留資格の申請は、疎明資料をしっかりと揃え、書類を作成し、提出することが必要です。
そのため、複雑な書類等も多くなりますので、在留資格の申請を検討している方は、専門家である行政書士に相談する方法もお勧めです。
今回の記事が「技能」ビザの申請を考えている方の参考になれば幸いです。
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