ヤフオクなどのオークションサイトを利用して中古品や商品を転売し、ビジネスをしている場合は、古物商の許可を取得しなければならない場合があります。
また最近では副業としてオークションで商品を転売し、お小遣いを稼いでいる方も多く見受けられます。
そこで今回はオークションを行って転売をする場合に必要な、古物商の許可について書いていきます。ヤフオクやAmazonなどのオークションサイトで商品を転売している方の参考になれば幸いです。
会社を設立して古物営業を検討している方は以下の記事を参考にしてください。↓
2022.01.12
古物商許可の取得後、個人から法人成りした場合の違いについて
事業開始当初は、個人で古物商許可を取得している場合、売上等が上がり軌道に乗ってきた後に、法人(会社)を設立して、古物営業を行うケースが多くあ...
ヤフオクをするのに古物商許可は必要?
ヤフオクで商品を出品する場合、古物商の許可が必要な場合と必要でない場合とがあります。
どのような時に古物商の許可が必要なのか、また必要でない場合はどのような時なのか少し事例をあげて考えてみます。
個人的に使用するために購入した商品をヤフオクで出品する場合
個人的に使用するために購入した商品をヤフオクで出品し販売する場合は、古物商の許可を取得する必要はありません。
例えば
個人的に使用する目的でカメラを購入したが、その後、使わなくなり、ヤフオクに出品する場合などです。
この場合は、商品を購入した目的が、「個人で使用すること」になるので、基本的には古物商の許可を取得しなくても良いとされます。
フリーマーケットにおいて、自身が使用したものを出店する場合も古物商の許可は不要になります。
転売目的のために商品を購入してヤフオクで出品する場合
転売目的のために商品を購入してヤフオクに出品する場合は、古物商の許可を取得する必要があります。
例えば
2,000円で販売されているカメラを、利益を得る目的で購入して、継続的に転売を行う場合です。
この場合は、商品を購入した目的が「利益を得ること」を目的にしていますので古物商の許可を取得する必要があります。
また、「古物」と言われていますが、必ずしも中古品だけが該当するわけではありませんので、注意が必要になります。
古本やCD、DVDなどであっても利益を得る目的で、購入してヤフオクなどのオークションサイトに継続的に出品する場合も、もちろん古物商の許可が必要になります。
どういう時に古物商許可が必要?
古物商許可が必要かどうかは、古物営業を確認するとわかりやすいです。
古物営業法第二条2項においてでは以下のように規定されています。
2、この法律において「古物営業」とは、次に掲げる営業をいう。
一、古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であって、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの
と規定されています。
この法律のポイントは営業であるということです。
一般的に営業とは、
利益を得る目的で、同種の行為を継続的、反復的に行う行為のことをいます。
また、営利目的がある限り、現実に利益を得ることができなかったとしても、営業に該当します。
つまり、ヤフオクなどのオークションでの転売だけでなく、利益を得る目的で古物の転売などを行う場合は古物商の許可が必要になります。
さらに、この利益を得る目的というのは本人の意思ではなく、客観的に判断されますので、結果として古物商の許可を取得しなかったことで、無許可営業として罰せられることもありますので注意が必要です。
そのような利益を得る目的で
・古物を買い取って売る場合
・古物を買い取って使える部品を売る場合
・古物を買い取って修理して売る場合
・古物を他の物と交換する場合
・古物を買い取ってレンタルする場合
・国内で購入した古物を国外に輸出して売る場合
などの営業を行う場合は古物商の許可を取得しなければなりません。
当然このような営業をネットで行う場合にも古物商の許可は必要になります。
ちなみに副業であっても、無許可営業でヤフオクなどのネットオークションを営業として行っている場合、重いものですと「三年以下の懲役又は百万円以下の罰金」として罰せられる可能性もあります。
したがって、無許可で転売などを行うことは法律で禁止されていますので、古物商の許可を取得する必要があります。
古物商の許可申請の手数料は19,000円ですので、もし現在古物商の許可を取得してない場合は、この機会に取得してください。
また、法務の専門家である行政書士に依頼すれば、何度も警察署に足を運ぶことなく、迅速かつ効率的に古物商許可申請の手続きを行ってくれます。そして法務アドバイスもしてくれますので、一つの手段として検討してみてください。
どういう時に必要ではない?
上述した通り、営業で行わない場合は古物商の許可を取得する必要はありません。
・個人的に使用していた物を売る場合
・個人で使用していたものをヤフオクなどのオークションサイトで出品する場合
・自分が商品を売却した相手方からその商品を買い戻す場合
・無償でもらった物を売却する場合
・自分が海外で購入したものを売る場合(一部古物商の許可が必要な場合もあります。)
などの場合は古物商の許可を取得する必要はありません。
どちらかわからない場合は?
古物商許可についてネットを見ていると、古物商の許可を取得する必要がある場合はとりあえず、取得しておきましょう。などと記載されているサイトもありますが、どちらかわからない場合は一度、 行政書士などの専門家に相談をしてください。
なぜなら、「とりあえず」古物商の許可を取得することで、許可自体が取消される場合があるからです。
例えば
許可を受けてから、
6ヶ月以上古物営業を営んでいない場合は古物商許可が取消されます。
また、実務上、古物商許可申請をする場合において申請書類に取扱う古物を選択しなければなりません。
この古物には書籍や時計、宝飾品類など13種類の品目に分けられています。
そして、この品目は取扱う古物だけを選択することになっています。
つまり、「とりあえずこの品目も選択しておこう。」ということで、品目を選択した結果として、その品目を取扱わなかった場合は、古物商許可が取消されることもあります。
古物商許可申請後に、取扱う品目が増えた場合は、変更の申請を警察署にしなければなりません。
したがって、古物商許可が必要なのか?必要ではないのか?不明な場合は、むやみに古物商許可を取得することはお勧めしません。
しかし、必要な場合は古物商の許可を取得しなければ無許可営業として罰せられる可能性もありますので、法務の専門家などに相談することをお勧めします。
個人でも申請できる?
古物商許可は、行政手続ですので個人でも書類を作成し、手続きをすることは可能です。
古物商許可の手続き等の詳細は以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。↓
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まとめ
古物を扱う場合古物商の許可を取得する必要があります。
それはヤフオクなどのネットオークションで商品を出品する場合でも同様です。しかし、古物商の許可が必要な場合と、不要な場合もあります。
副業としても人気があるヤフオクなどのネットオークションですが、古物商の許可が必要な場合において、許可を取得していない場合は無許可営業として罰せられる可能性もあります。
それは個人であっても法人であっても同じことです。古物商の許可は申請してからおよそ40日程度で許可がおります。
これからヤフオクやAmazonを使ってネットオークションを始めようと考えている方、また、既に始めていて古物商許可を取得していない方は、この機会に古物商許可について考えてみてください。
当事務所でも、法務の専門家として古物商許可申請についての手続きをサポートさせて頂き、法務的なアドバイスもさせて頂きます。
古物商許可について、ご相談がありましたら、お気軽にご相談ください。必ずお力になります。
古物商許可申請の依頼を検討している方は以下の記事も参考にしてください。↓
2022.03.09
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