日本では現在3組に1組の割合で離婚をしているというデータが出ています。
また、熟年離婚の件数も増加している傾向も見受けられます。
しかし、離婚をするとうことは夫婦間での話し合いが必要になり、話し合いで解決しない場合は、調停や裁判が必要になることもあります。
また、離婚後の生活のことや必要な手続きなどもありますので、多くの労力が必要になります。
そこで今回は、離婚届の提出を考えている方に役立つことを書いていきます。
皆様の参考になれば幸いです。
離婚届を提出する前にすべきことは?
離婚に際しては、色々な問題が生じてきます。
したがって、離婚届を提出する前にしっかり準備をしておく必要があります。
特にあいまいなままにしておいてはいけないものは、
子供のこと、お金のこと、自身の暮らしのことです。
これらの問題に対しては、離婚届を提出する前に、離婚協議書などを作成し、しっかりとした取り決めをしておく必要があります。
子供の問題
離婚届の提出には、親権者を記入しなければ離婚届は受理されず、離婚は成立しないので、親権者を決めておく必要があります。
また、養育費の支払方法や金額、面接交渉(子供と会うこと)の頻度や時間などを決めておくことが必要になります。
お金の問題
離婚においてお金に関する問題で後々トラブルになるケースも多くありますので、しっかり決めておく必要があります。
例えば
慰謝料や財産分与などに関することです。
これらのことに関しては、金額や慰謝料などについては分割で支払うのか?
それとも一括で支払うのか?を取り決めておく必要があります。
また、財産分与に関しては換金処分をするのか?現物で処分をするのか?などの取り決めをしておくことが重要になります。
自身の暮らしの問題
離婚をすれば新しい生活が始まります。
そのためにも、離婚届を提出する前に自身の暮らしのことにもある程度の目途をつけておく必要があります。
離婚後の暮らしにおいて何より必要になるものは、収入と住む場所になるかと考えられます。
離婚をする前に、住む場所を決めておくことや、仕事を見つけて収入を確保するなど、経済的に困らない方策を準備しておくことが大切になります。
上記のことについて離婚届を提出する前に考えておく必要があります。
もちろん、上記以外にも取り決めが必要なこともありますので、口約束で取り決めることをしないで、行政書士などの法務の専門家に離婚協議書の作成をしてもらい、公正証書にしておくことをお勧めします。
後悔しない離婚をするためには?
離婚をすると今までのパートナーと別れ、新しい生活を始めていくことになります。それは人生における大きなターニングポイントになります。
後悔しない離婚をするために必要なことは、離婚届を提出する前に「本当に離婚すべきか?」ということをもう一度考える必要があると思います。
例えば
どうしても許せない離婚原因があったのか
夫婦の関係を改善する努力はしてきたのか
心残りはないか
自分やこどもにとって離婚をすることがベストの選択なのか
など結論を急がずに、もう一度考えることで後悔をしない離婚をすることにも繋がってきます。
離婚届を書く時のポイントは?
協議離婚、調停離婚、裁判離婚であったとしても離婚届は必要になります。
今回は協議離婚のケースについて考えていきます。
協議離婚の場合は、離婚届が受理された時点で離婚が成立します。
この離婚届の提出先は、本籍地か住所地の役場になります。
また、夫婦が別居している場合は、夫婦いずれかの住民票がある役場に提出することになります。
離婚届は、本籍地以外の役場に提出する際には、戸籍謄本が必要になりますので注意が必要です。
離婚届は夫婦双方の署名・押印、成人の証人2名の署名・押印が必要になります。
また、親権者を記入する欄がありますので、離婚後の親権者も決定する必要があります。
そして、戸籍の筆頭者でないものは離婚をすることで、親の戸籍に戻るのか?それとも新たに自分を筆頭者とする戸籍を作るのか?ということも記入する必要があります。
離婚後も婚姻中の姓(名字)を名乗りたい場合は、離婚後3ヶ月以内に離婚の際に称していた氏を称する届を、別途提出する必要があります。
これらの用紙は全国の役場窓口で無料で手に入れることができます。
一方的に離婚届を提出されそうな場合はどうするの?
離婚届は夫婦の一方の了承もなく、相手が提出した場合でも離婚届の記載事項に不備がなければ受理されてしまし、その時点で離婚が成立してしまいます。
そのようなことから、協議離婚の話し合いをしている最中は、一方的に離婚届を提出され、不本意に離婚を強いられることのないように対策をとっておくこともできます。
そのうちの一つとして、不受理申出の手続きがあります。
この不受理申出の手続きをしておくと、相手方が勝手に離婚届を提出したとしても、その離婚届が受理されることはありません。
この不受理申出は一度手続きをすると、有効期間は無期限ですので取り下げをしない限り効力は継続します。
不受理申出の手続きの方法は?
不受理申出の手続きは、本人が不受理申出書に署名・押印する必要があります。
提出先は原則として本籍地の役場にすることになります。
この不受理申出書は、郵送や代理人では手続きはすることができず、直接本人が役場に出向いて手続きをしなければなりません。
そのようなことから、本籍地に不受理申出書を提出することができない場合は、宛先を本籍地の市区町村長にして、住所地の役場に提出することもできます。
そして、離婚協議がまとまり離婚をする時には、不受理申出取下書を提出することになります。
この取下書も同様に、郵送や代理人では手続きは認められていませんので、注意が必要です。
まとめ
離婚届を提出すれば離婚は成立します。
しかし、日本では協議離婚で離婚をするケースが圧倒的に多く、夫婦の話し合いが必要になります。
離婚後は新しい生活がありますので、離婚届を提出する前に、事前に決めておくことは夫婦の話し合いで決めておく必要があります。
その時は口約束ではなく、しっかりとした書面。離婚協議書として、決めた内容を書き残しておくことが重要になります。
今回は、離婚届の提出を考えている方の参考になることを書いてきました。
この内容が参考になれば幸いです。