離婚をする際は、日本では約90%が協議離婚で離婚が成立しています。
つまり、ほとんどの夫婦は調停や裁判ではなく、話し合いで離婚をしているということになります。
離婚は離婚協議をすることも大変ですが、その後の手続きなども大変だと言われています。
特に、離婚後の手続きにはどのようなものがあるのかは、わからない方も多いと思います。
そこで、今回は離婚後の手続きや手順などを書いていきます。
皆様の参考になれば幸いです。
離婚後にはどのような手続きがあるの?
離婚をすると色々な変更が生じます。
そのようなことから、役所などで様々な届出等が必要になります。
沢山ありすぎて、よくわからなくなるのはこのような理由があるからだと考えられます。
この、届出には
大きく分けて
公的な届出
日常的な届出
財産に関する届出
子供に関する届出
があります。
公的な届出とは?
離婚をした場合、どの手続きからすればいいのかと良く相談を受けますが、まずは公的な届出からすることをお勧めします。
公的な届出の具体例は
住民票の世帯主変更届
住民票の異動届(転居した場合)
健康保険の加入および変更届
年金の種別変更届
運転免許証やパスポートの氏名、住所変更届
印鑑登録の変更届
などがあげられます。
健康保険について
健康保険については、会社員の配偶者の健康保険に被扶養者として、加入していた場合においては、離婚をした後、自分で健康保険に加入する必要があります。
加入する保険については、就職した場合は就職先の健康保険に加入することになります。
それ以外の場合は国民健康保険に加入することになります。
また、配偶者が自営業の場合において、婚姻中に国民健康保険に加入していた場合も、離婚をした後は、新しい住民票に基づいた国民健康保険への変更手続きが必要となります。
そして、どちらのケースにおいても、子供の健康保険を変更する場合は、その手続きも同時にすることになります。
国民年金について
国民年金は第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3つの種別に分けられています。
第1号被保険者は、自営業者、農林漁業者、その配偶者などが当たります。
第2号被保険者は、会社員や公務員などが当たります。
第3号被保険者は、会社員や公務員に扶養されている配偶者などが当たります。
つまり、第3号被保険者が離婚した場合は
離婚後に就職した場合は、第2号被保険者になります。原則的には就職先の会社がその手続きを行うことになります。
また、第3号被保険者が離婚後に自営業になった場合や、無職でいる場合は、第1号被保険者に変更手続きが必要になります。
この手続きは役場の保険年金課で行うことになります。
しかし、国民年金の支払が経済的に困難な場合においては、保険料の全額免除や一部免除といった制度が設けられていますので、必要があれば役場の窓口で申請をすることができます。
ただし、免除期間に応じて年金の受給額が減額されますのでご注意下さい。
運転免許証やパスポートについて
運転免許証やパスポートは自身の身分証明書として使用することが頻繁にあります。
また、他の手続きを行うにあたって、身分証明書が必要になる場合もありますので、運転免許証やパスポートの変更手続きは早い段階で終わらせておくことをお勧めします。
運転免許証の変更手続きは、住所地を管轄する警察署や運転免許センターで行うことになります。
この手続きに必要なものは
新しい本籍地が記載されている住民票
婚姻中に使用していた運転免許証
運転免許証用の写真(離婚後に他の都道府県に転居した場合)
などが必要になります。
パスポートの変更手続きは、住所地のパスポートセンターで行うことになります。
この手続きに必要なものは
一般旅券訂正申請書
戸籍抄本または戸籍謄本
婚姻中に使用していたパスポート
などが必要になります。
印鑑登録の変更について
印鑑登録の変更手続きは住所地の役場で行うことになります。
また、必要なものは
離婚後の新しい性の印鑑
新しい氏名・住所地がわかる運転免許証
などが必要になります。
日常的な届出とは?
日常生活を送る上で、不便が起こることのないように、
自身の預金通帳やクレジットカード、生命保険、携帯電話などの住所や氏名等の変更手続きを行うことをいいます。
預金通帳について
預金通帳の名義を変更する場合に必要ものは
新しい氏名と住所を記載した身分証明書(免許証など)
新しい性の印鑑
などが必要になります。
この手続きは、銀行の窓口で手続きを行うことになります。
クレジットカードについて
クレジットカードの名義変更に必要なものは
クレジット会社の名義変更届出用紙に必要事項を記入
離婚後の性で押印
などのことを行い、手続きを行っていきます。
財産に関する届出とは?
不動産や自動車の名義が一方配偶者の場合、それらの財産を離婚後に自分で所有する場合は、名義変更をする必要があります。
財産に関する届出の具体例は
不動産の所有名義変更届
自家用車の所有名義変更届
電話加入権の契約名義変更届
などがあげられます。
子供に関する届出とは?
離婚をすることによって、引っ越しを行い、子供の転校が必要になることもあります。
このような場合には、子供の転入学手続きなどが必要になります。
子供に関する届出の具体例
転入学届け
子供の健康保険の異動届
などがあげられます。
また、離婚後の状況によっては、国や自治体から支援を受けることもできますので、必要があれば各種申請手続きも必要になります。
例えば
児童扶養手当の申請届
医療費助成制度の申請届
児童育成手当の申請届
などは必要があれば受けることができます。
会社への届出も忘れずに
離婚をした場合においては、会社にも離婚の届出をする必要があります。
なぜなら、会社側が健康保険や厚生年金などの変更手続きをする必要があるからです。
したがって、その変更手続きのために健康保険被保険者証と年金手帳を会社に提出しなければなりません。
また、住所などが変わった場合は、通勤定期代なども会社に届出る必要があります。
まとめ
離婚をした後にも、沢山の手続きが必要になります。
離婚を考えている方の一つの悩みとして、離婚後の手続きや手順はどうしたらいいのか?ということもあると考えられます。
もちろん、夫婦で話し合いをして離婚をする場合が大多数ですので、その話し合いにも多くの労力がかかると思います。
しかし、離婚後も自身の生活がありますので、しっかり話し合いを行い、
養育費や慰謝料などを決めておく必要があります。
その際には離婚協議書を作成し、書面として残しておくことが重要になります。
離婚が成立し、必要な手続きをを素早く行うことも今後の生活のための良いスタートになります。
今回は、離婚後の手続きや手順について書いていきました。
皆様の参考になれば幸いです。