ウェブサービスを通して商品の販売などのネット販売や商品の購入等をする場合において、利用規約が必要になったり、利用規約を目にしたりする機会があると思います。
しかし、実際にはユーザー側は利用規約をほとんど読まないケースがほとんどです。
しかし、ウェブサービスを提供する事業者にとっては、 利用規約は必要不可欠のものになります。
今回は、ウェブサービスをする上で必要になる利用規約の書き方を考える前に知っておくべきことを書いていきます。
利用規約は多くのユーザーは読んでいない
皆さんのケースで考えてみてください。
何か新しいウェブサービスを使うにあたって、利用規約の全てに目を通しているでしょうか?
この問いに、「全て目を通しています。」と答えることができる方はあまりいらっしゃらないと思います。
その理由は、やはり利用規約の文面がとても長いからということが考えられます。
試しに、ネットで利用規約と検索してみてください。やはり、長い利用規約がでてくると思います。
また、利用規約の文面には法律的な用語も沢山使われていますので、結局何が言いたいのかわからないから読まないといった方もいるのではないのでしょうか?
ウェブサービス事業者はそれでも利用規約が必要
現実的にはユーザー側が利用規約を読んでいても、読んでいなくてもウェブサービスの事業者には、利用規約は必要不可欠になります。
その理由は
クレーム等の問題が生じた時に話し合いをすることができる
例えば、
利用規約をあれば、ユーザーがウェブサービスを使用する上で、当初想定していなかったサービスの使い方をした場合において、利用規約を根拠にユーザーに対してそのような使い方の禁止を求めることができるようになります。
また、支払い等を求める訴訟などを起こそうと考えた場合、ウェブサービスの場合は、ユーザーは全国にいる可能性があります。
その場合において、利用規約で紛争が起こった際の裁判管轄を規定していれば、自身の営業所を管轄する裁判所で訴訟を起こせることになります。
など利用規約を規定していることで、クレーム等が生じた時に対応することが可能になります。
ユーザーに対して一方的に不利な規定は無効になる
利用規約をユーザーが読むことなく同意したとしても、ユーザーに対して一方的に不利な規定があれば、その規定は消費者契約法で無効になる可能性があります。
例えば
「当社は、ユーザーが本サービスを利用したことによって生じた損害に関しては、一切の責任を負いません。」などといった、一方的な免責規定はB to Cにおけるサービスでは消費者契約法によって無効となります。
また、自社に圧倒的に有利な規定も無効になりますので、利用規約を作成する際には注意が必要になります。
利用規約の同意はどのようにして取ればいいの?
利用規約の同意の取り方には、いくつかのパターンがありますが、ここでは代表的な同意取得のパターンを書いていきます。
規約の全文表示+規約同意のクリック
スクロールができるように規約全文を表示し、「利用規約に同意する」旨のチェックボックスへのチェックをさせるといったパターンがあります。
この方法は、利用規約を全文表示し、さらに明示的に同意を取得しているので、同意を取得する方法としては確実性が高く、多くの企業で使用されています。
規約のリンク+画面遷移をするためのクリック
利用規約へハイパーリンクをつけ、利用規約へアクセスできるようにしておき、申し込みボタンに「利用規約に同意して申し込む」等の表示をつけて、確認をとる方法があります。
こちらの方法によって、同意を取得する方法もあります。
まとめ
ネット通販等のウェブサービスを事業として行うには、利用規約を作成することは必要不可欠です。
利用規約の書き方なども大切ですが、利用規約を作成する前に確認しておくべきポイントは沢山あります。
また、利用規約以外にもプライバシーポリシーや特定商取引法に基づく表示など、確認しておく必要があるものもあります。
利用規約を作成することに不安がある場合は、行政書士などの法務の専門家に相談することも選択肢として持っておくことも良いと思います。
今回はウェブサービスを行うための利用規約を作成する前に考えておきたいことを書いてきました。
皆様の参考になれば幸いです。