建設業許可を取得するためには、「経営業務の管理責任者」「専任技術者」を設置する必要がある等、多くの条件を満たしていく必要があります。
特に、国家資格ではなく、「実務経験」で建設業許可を取得するためには、これまでの実績を証明しなければならず、難易度が高くなります。
また、会社で建設業を行っているようなケースでは、役員や技術者が複数人いることで、多くの業種の許可を取得しやすい環境にあります。
しかし、個人で建設業を行っているような一人親方の場合は、実務経験で複数業種を取得することがとても難しくなります。
そこで、今回は一人親方の場合で複数業種の許可を取得する方法について考えていきたいと思います。
建設業許可の取得を検討している方の参考になれば幸いです。
一人親方の建設業許可取得については、以下の記事でも解説をしています。↓
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それぞれの業種で10年以上の実務経験が必要
上述した通り、建設業許可には「専任技術者」と呼ばれる人材が必要になります。
これは、個人事業主の代表者が「経営業務の管理責任者」と兼任することが可能ですが、実務経験で「専任技術者」の要件を満たす場合は、10年以上の経験が必要になります。
つまり、それぞれの業種で10年以上の実務経験があれば複数業種で建設業許可を取得することができるということです。
専任技術者については以下の記事で解説しています。↓
2022.10.28
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実務経験の期間は重複することはできない
実務経験が10年以上あれば複数業種で建設業許可が取得できるようになるのは上述したとおりです。
しかし、この10年の実務経験の期間は重ねて期間に含めることができません。
例えば、2012年1月から2022年10月まで大工工事と内装仕上工事の実務経験があったとします。
この場合、2つの業種の実務経験の期間が重なっているため、1つの業種でしか建設業許可を取得することができません。
したがって、2000年1月~2010年1月に大工工事業の実務経験が証明でき、2010年2月~2020年2月までの期間で内装仕上工事の実務経験を証明することができれば、期間が重なっていないため、2業種で建設業許可を取得することができます。
言い換えると、一人親方(個人事業主)が実務経験で2業種の建設業許可を取得する場合は20年の経験を証明する必要があります。
複数業種の建設業許可を取得する場合の必要書類は?
例えば、開業してから20年以上ある一人親方が2業種の建設業許可を取得する場合は、実務経験を証明する資料として以下の書類が必要になります。
①5年以上の確定申告書
②それぞれの期間で実務経験を証明することができる請求書等
少なくとも上記2つの資料が必ず必要になります。
そのため、確定申告をしていない場合や請求書等がない場合については、実務経験を立証することが難しくなるので、注意が必要です。(他の建設業者で勤務していたような場合は、その業者で証明できれば、取得できる可能性が高くなりますが、今回は開業してから20年以上の一人親方のケースで記載しています。)
まとめ
今回は個人事業主が複数業種の建設業許可を取得したいケースについて考えてきました。
建設業許可は様々な立証書類が必要になり、多くの書類を作成することが求められますので、個人で手続きをするのはとても難易度が高くなります。
また、建設業許可は許可を維持していくために毎年「決算変更届」が必要であったり、5年に1回「更新」の手続きが必ず発生します。
このように建設業許可は複雑な手続きが多く発生するため、専門である行政書士に相談することで効率的に申請や維持の手続きが可能になります。
当社でも建設業許可申請を得意業務としていますので、建設業許可取得を検討している方は是非一度相談してみてください。
必ず力になることができます。
今回の記事が建設業許可取得を検討している建設業者の方の参考になれば幸いです。
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