オーバーステイを知ったとき!在留特別許可とは?

2016.10.02

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就労系のビザを取得して日本に滞在している外国人の方には、在留カードが交付され在留期間が定められています。

外国人の方は、その在留期間において日本で活動することができます。在留期間を超えて日本に滞在して活動をするためには、在留資格の更新手続きをする必要があります。

在留資格の更新手続きをしないで、在留期間を超えて日本に滞在している場合は、不法滞在(オーバーステイ)として退去強制などの対象になることがあります。

今回は、オーバーステイをしていることに気づいた場合や、在留特別許可について書いていきます。

在留資格を取得して日本に滞在している外国人の方などの参考になれば幸いです。

退去強制の対象になる不法滞在とは

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不法滞在者としてオーバーステイ(不法滞在)の状態とされる事項には以下の3つの状況が考えられます。

不法上陸者

日本に上陸する時に、入国審査官の上陸許可等を受けずに上陸したケース

不法入国者

有効なパスポート(旅券)を所持していない場合や偽装パスポート等を作成し日本に入国したケース

不法残留者

在留資格の更新手続き等をしないで、在留期間等を超えて日本に滞在しているケース

上記に記載した不法滞在者は、入管法を根拠に入国管理局の行政手続きによって身柄が拘束されます。その後、強制的に日本国外に退去させられることになります。

出国命令制度について

2008年の不法就労外国人対策キャンペーンで入国管理局は、出国命令制度に基づいて帰国するように勧めるようになりました。

出国命令制度とは、一言でまとめると、外国人の方が不法滞在をしていることがわかったら、速やかに最寄りの入国管理局へ出頭させてください。というものです。

上述した通り、原則的には不法滞在をしている者は、退去強制の対象となり強制的に日本国外へ退去させられることになります。

しかし、不法滞在している者が自発的帰国する意思を持って、入国管理局へ出頭したケースでは一定の要件を満たしていれば、出国命令制度で対応してもらうことが可能になり、身柄を収容されずに、日本から出国することになります。

出国命令制度の対象者について

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出国命令制度の対象者については
1、速やかに出国する意思を持って、自ら入国管理局に出頭すること。
2、不法残留以外の退去強制事由に該当しないころ
3、日本に入国後に窃盗罪等の所定の罪により懲役または禁錮に処せられていないこと。
4、これまで強制送還されたり、出国命令により出国したことがないこと。
5、速やかに出国することが確実であると見込まれること。

上記要件等を満たしている場合は、出国命令制度で身柄を収容されることなく、日本から出国できるようになります。

上陸拒否期間について

出国命令制度や退去強制等によって、日本から出国した外国人の方は、一定の期間は日本に上陸することができません。

上陸が拒否される期間

1、過去に退去強制歴等がある場合は10年
2、入国管理局等の摘発により退去強制された者は5年(過去に退去強制歴などがないことが必要)
3、出国命令によって出国した者は1年

上記期間は、日本へ上陸することが禁止されています。

在留特別許可について

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上述した通り、不法滞在をしている外国人の方は退去強制の対象になり日本国外へ強制的に退去させられる可能性があります。

しかし、退去強制の対象になる場合でも、法務大臣はその外国人の方の日本での生活歴や家族状況等の様々な事情を考慮して、法務大臣が特に日本への在留を許可すべき事情があると認められる時は、特別に在留を許可するケースがあります。

この場合における許可を在留特別許可と言います。

日本への在留を特別に許可する外国人とは?

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以下のケースに当てはまる場合は、法務大臣は日本への在留を特別に許可することができます。
1、永住許可を受けている場合。
2、かつて日本国民として日本に本籍を有していたことがある場合。
3、人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に在留するものである場合
4、その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認める場合

上記ケースでは、法務大臣は日本への在留を特別に許可することが可能になります。

また、在留特別許可に係るガイドラインの中では、
1、外国人が、日本の子または特別永住者の子であること
2、難病により本邦での治療を必要とすること
などの事項についても考慮すべき事項として記載されています。

在留特別許可に関するガイドラインについては、以下に記載する法務省のホームページで公開されています↓
在留特別許可に関するガイドライン

在留特別許可は裁量によって決定される

在留資格の更新の決定なども同様ですが、在留特別許可の決定は、法務大臣の自由裁量によって許可・不許可が決定されますので、上記要件を満たしていたからといって、必ず許可がもらえるということではありませんので、ご注意ください。

在留特別許可を受けた場合

外国人の方が在留特別許可を受けた場合は、新しく在留資格・在留期間が決定されるまでの間については、日本への滞在が認められることになります。

まとめ

外国人の方が日本へ滞在するためには、在留資格が必要になります。
特に就労系のビザや日本人配偶者等の在留資格については、在留期間が定められており、在留期間が切れる前に在留資格の更新手続きをする必要があります。

うっかり更新手続きを忘れてオーバーステイ(不法滞在)にならないように、在留期間には常に注意をしておく必要があります。