留学生などの外国人労働者を雇用する会社に必要なこと

2016.10.03

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外国人の留学生や外国人の労働者を会社が雇用する場合には、原則的には日本人を採用する時と同様の手続きが必要になります。

また、日本人を雇用する場合には、在留資格等を意識することなく雇用することができますが、外国人の方を雇用する場合については、在留資格の確認をすることなどしなければならないことがあります。

今回は、外国人の労働者を雇用する際に会社が必要なことについて考えていきます。

外国人の方を雇用しようと検討している方の参考になれば幸いです。

在留資格の確認をすること

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外国人の方が日本に滞在するためには、その活動の目的にあった在留資格が必要になります。
つまり、外国人の方を募集して、採用するためにはどのような業務に従事してもらうのかしっかりと決める必要があります。

例えば、通訳翻訳の業務をしてもらう場合や、システムエンジニアなどの業務を行う場合は、技術人文知識国際業務の在留資格の付与をされる外国人の方を雇用しなければなりません。

ただし、永住権等を取得している外国人の方は、就労の制限はありませんので、基本的にはどのような仕事についても問題はありません。

面接時などに学歴や業務経験歴等を確認すること

上述した通り、外国人の方が日本に滞在して働くためには、目的にあった在留資格が必要になります。

そのため、従事してもらう業務に必要な学歴業務経験年数などを確認する必要があります。

そのような確認をしておかないと、内定後に在留資格の変更許可申請を行ったとしても、不許可になり業務に従事してもらうことができなくなる可能性があります。

例えば、
通訳・翻訳の業務じ従事してもらおうと検討した場合は、技術人文知識国際業務の就労系ビザが必要になります。
この就労系ビザを取得するためには、大学卒業以上であるか、3年以上業務経験が必要になります。

また、システムエンジニア等の技術系のエンジニア業務に従事する場合は、理工系大学卒業し、さらに大学で専攻していた内容が従事する業務と関連していること、または10年以上業務経験があることが必要になります。

したがって、外国人の方を雇用する前には確実に、学歴や業務経験年数などを確認しておく必要があります。

外国人の方が雇用できるかわからない場合

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業務の内容と在留資格の関連性など、外国人の方を雇用することができるかどうかわからない場合は、行政書士に相談することも一つの選択肢としてお勧めします。
また、行政書士に相談する方法以外にも、入国管理局の外国人インフォメーションセンターや、厚生労働省の外国人雇用サービスセンターなどがありますので、一度問い合せてみても良いと思われます。

外国人インフォメーションセンターのホームページ
外国人雇用サービスセンター(厚生労働省)のホームページ

在留資格の変更や更新には会社が作成する書類が必要

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外国人の方の雇用が決まった場合は、在留資格を変更しなければならないことがあります。
例えば、
留学→就労系の在留資格
教育→技術・人文知識・国際業務
などに変更するケース等が考えられます。

このようなケースでは、外国人の方自身が在留資格変更許可申請書を入国管理局へ提出しなければなりません。(行政書士に依頼した場合は、行政書士がサポートしてくれます。)
この、在留資格変更許可申請書には、所属機関作成用があり会社側作成しなければならない部分があります。
つまり、代表者の記名や押印なども必要になるとうことです。
また、会社の規模によっては(4つのカテゴリーで区分されています。)別途必要になる書類もあります。

在留資格の更新時について

在留資格には在留期間が設けられており、5年.3年.1年.3ヶ月等の期間があります。
日本で引き続き就労する場合は、在留期間が切れる前に外国人の方自身が入国管理局へ在留期間の更新手続きを行う必要があります。

この更新手続きにも、在留資格の変更手続きと同様に所属機関作成用がありますので、会社側作成しなければならない部分があります。

外国人の方を継続して雇用する場合には、在留期間に注意して更新手続きを忘れないようにしなければなりません。

留学生をアルバイトで雇用する場合について

留学生は原則的には、アルバイトをして働くことはできません。
しかし、資格外活動の許可を入国管理局から取得している場合については、一定の制限はありますが留学生がアルバイトをすることが可能になります。

外国人の方が入社する時に必要な手続きについて

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外国人の方が入社する際にしなければならない手続きについては、原則的には日本人の労働者を入社させる手続きと同様になります。

したがって、労働保険・社会保険に加入する必要があります。
また、マイナンバー制度が始まり、外国人住民にも個人番号が付番されるようになり、所得税や住民税も課税されます。

最低賃金法などの法律も日本人労働者と同様に適用されることになります。

雇用契約書も必要書類に

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在留資格の認定や変更を入国管理局へ申請する際には、雇用契約書等の資料を提出する必要があります。

そのため、会社はあらかじめ雇用契約書などを作成して、入社予定の留学生や外国人の方に交付しておかなければなりません。

また、会社側が従業員を雇用する場合には、労働条件を明示し、書面で示さなければならないと労働基準法で規定されています。

労働基準法15条

使用者、労働契約の締結に際し、労働者に対して、賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合、賃金および労働時間その他厚生労働省令で定める事項については、労働者に書面を交付することにより、明示しなければならない。

と規定されています。

まとめ

留学生などの外国人の方を雇用する際には、雇用することになる会社側も気をつけなければならいことが沢山あります。

外国人の方を雇用することで、多様なビジネス展開ができるようになりますので、最近では多くの企業が留学生の採用を行っています。

今回は、外国人の方を雇用する会社側に必要なことについて書いてきました。

皆様の参考になれば幸いです。