外国人の方が在留資格の申請をする前に役に立つ基礎知識

2016.10.12

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外国人の方が日本に滞在するためには、在留資格が必要になります。
就職などの仕事関係で日本に滞在するためには、就労系のビザが必要になり、学生の方等は留学のビザが必要になります。
また、一定の要件を満たした外国人の方は、日本人の配偶者等や永住権などの資格を取得して日本に滞在することが可能になります。

就労系の在留資格などには在留期限が定められており、在留期間の満了日が過ぎた後も、引き続き日本に滞在するためには在留期間の更新が必要になります。

また、現在所持している在留資格と異なる活動を日本で行う場合には、在留資格の変更をする必要があります。

今回は在留資格の取得・更新・変更などで入国管理局へ在留資格申請する前役立つ基礎知識について書いていきます。

日本で滞在している外国人の方の参考になれば幸いです。

出入国管理及び難民認定法について

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外国人の方の在留について規定されている法律は、出入国管理及び難民認定法で規定されています。
帰化申請については、国籍法で規定されていますので、在留資格帰化とは別の法律で規定されています。

また、在留資格の取得・更新・変更・帰化申請については法務大臣の裁量(意思)が大きく反映されるため、他の許認可申請のように要件を全て満たせば、必ず許可が決定されるというものではありませんので、注意してください。

在留資格を申請する上での最低限知っておきたい用語

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在留資格の更新などの申請をする上で知っておきたい入管法規定されている用語(概念)を以下に記載していきます。

外国人

外国人とは、日本の国籍を有しないものをいいます。
したがって、外国の国籍を有する者だけではなく、無国籍者も外国人に該当します。
また、日本の国籍と外国国籍を有する重国籍者は日本人とされます。

帰国

帰国とは、日本人が本邦外の地域から本邦(日本)に入ることをいいます。

国籍

国籍とは、特定の国家の構成員としての資格であり、人を特定の国民共同体と結びつける法的概念であるとされています。

再入国の許可

再入国の許可とは、本邦(日本)に在留する外国人が一時的に出国し、出国前と同じ在留目的を持って再び本邦(日本)に入国・上陸しようとする場合に、入国・上陸手続きを簡素化するために、出国前にあらかじめ法務大臣が与える許可をいいます。

在留カード

2012年7月9日に外国人登録法が廃止され、新しく在留管理制度がスタートしました。
そのことによって、従前の外国人登録証明書に代わって、中長期在留者に交付されるようになりました。

在留カードには、氏名・生年月日・性別・国籍・地域・住居地・在留資格・在留期間・就労の可否など記載されています。
また、16歳以上の方には顔写真が表示されることになっております。

在留期間の更新

在留期間の更新とは、日本に在留する外国人が現に有する在留資格に該当する活動を、在留期間を超えて引き続き行おうとする場合に、法務大臣に申請して、延長する許可を得る手続きのことをいいます。

在留資格

在留資格とは、外国人が日本において一定の活動を行って在留するための入管法上の資格をいいます。

在留資格認定証明書

在留資格認定証明書とは、日本に上陸しようとする外国人に対し、あらかじめ法務大臣が、日本の上陸のための条件に適合していると認定した旨を証する文書をいいます。
在留資格認定証明書の交付を申請を行い、法務大臣からの認定を受けていれば、在外公館における査証申請や上陸港における上陸申請に際して、在留資格認定証明書を提示又は提出することによって、上陸審査の的確かつ迅速な実施と、外国人にとっての利便が図られています。

資格外活動許可

日本に在留する外国人が、現に有する在留資格に属する活動以外の活動で、収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行う場合には、あらかじめ法務大臣から許可を受ける必要があります。これを資格外活動といいます。

資格外活動の許可を受けることなく、付与されている在留資格に属する活動以外の収入を伴う事業を運営する活動、又報酬を受ける活動を専ら行っている場合については、退去強制事由に該当することになり、退去強制の対象にされます。

出国

出国とは、日本国の領土・領海・領空から出ることをいいます。

上陸

上陸とは、日本国の領土に足を踏み入れることをいいます。

入国

入国とは、日本国の領土・領海・領空に入ることをいいます。

旅券

旅券とは一般的に、外国に渡航しようとしている自国民に対し、政府が所持する者の国籍と身分を公証し、かつ渡航先の外国官憲に対して、所持している者に対する保護と旅行の便宜供与を依頼する文書をいいます。いわゆるパスポートは、旅券とされます。

まとめ

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外国人の方が日本に滞在するためには、在留資格を取得する必要があります。
在留資格には、就労系のビザや永住権等のビザなど身分に関するビザがあります。
また、就労系のビザ・日本人の配偶者等の在留資格には、在留期限があり、期限が満了する前に在留資格の更新を行う必要があります。
さらに、日本で行う活動の内容に変更がある場合は、在留資格の変更をしなければなりません。

外国人の方が在留資格の申請・変更・更新などの手続きを行うことは、多くの労力が必要になる作業になります。

そのようなこともあり今回は、在留資格の申請前に役立つ言葉を書いてきました。

日本に滞在している外国人の方、外国人の雇用を検討している事業者の方の参考になれば幸いです。