外国人の方が国民健康保険に加入するためには?
2016.10.26
日本で滞在している外国人の方についても日本人と同様に、自営業をしている方等は国民健康保険に、会社員の方は健康保険に加入することができます。
今回は、この国民健康保険と健康保険について考えていきます。
日本に滞在している外国人の方の参考になれば幸いです。
国民健康保険?それとも健康保険?
日本の医療保険には、国民健康保険・健康保険があります。(公務員の方には共済や原則75歳以上の方が対象になる後期高齢者医療制度等もあります。)
国民健康保険とは
国民健康保険とは
生活を守るための保険制度の1つとして、病気やケガなどの出費に対して自己負担が軽減され、出産育児などに対して一時金が支給されるなどの制度のことをいいます。
対象者は?
国民健康保険の対象者は
自営業者・会社の退職者(無職の人)・留学生などが対象になります。
また、その扶養家族についても国民健康保険の対象者になります。
保険料の支払は?
保険料については、前年の収入に応じて1年単位で決定され、世帯単位で計算されることになります。
ただし、失業中の方や低所得の方については、申請することで保険料の軽減をしてもらうことができます。
健康保険とは
国民保険と同様の制度になりますが、対象者と保険料の支払いが異なってきます。
健康保険の対象者は?
健康保険の対象者は、会社員が対象者になります。
また、その扶養家族についても健康保険の対象者になります。
保険料の支払は?
保険料の支払については、本人と雇用先の企業が折半して支払うことになります。
負担することになる金額
国民健康保険や健康保険という2つの制度がありますが、病気等になり病院に行った時に負担する金額については同じ内容になっています。
負担する割合について
病院で診察等を受けた場合における一部負担の割合は、以下の通りになります。
小学校入学前の子供・・・2割負担
小学生から69歳まで・・・3割負担
70歳から74歳まで・・・2割負担
となっております。
外国人の方が国民健康保険に加入するには
外国人の方が国民健康保険に加入するためには、在留資格がある外国人であり、市区町村で住民登録を行っている勤務先の健康保険などに加入できない人が、住民票のある市区町村役場で手続きをすることで加入することができます。
窓口に持参するものは、
パスポート・在留カード・キャッシュカードや通帳と通帳使用印などを持参する必要があります。
国民健康保険に加入しないとどうなるの?
どの健康保険にも加入していない場合は、国民健康保険に加入することになります。
国民健康保険の加入手続きが遅れてしまうと、保険料をさかのぼって支払う必要がでてきたり、病院に行ったときなどの医療費を全額自分で負担しなければならないようになります。
したがって、どの健康保険にも加入していない場合は、国民健康保険の加入手続きを速やかに行うことをお勧めします。
ただし、社会保障協定を締結している国(アメリカやフランスなど)の保険に加入している場合については、一定の証明手続きをした上で、日本の国民健康保険に加入する必要がない場合がありますので、市区町村の国民健康保険の担当部署に問い合せてみてください。
健康保険に加入する場合は
就職などで、国民健康保険に加入している者が健康保険に加入する場合は、市区町村の役場で国民健康保険の脱退の届出をする必要があります。
健康保険の扶養家族について
会社員の方の扶養家族は、健康保険などの扶養家族として認定を受けることができます。
認定を受けることができる場合
健康保険などの扶養家族として認定を受けることができる場合は、
①59歳までの人で、本人の年収が130万円未満の場合
②60歳以上の人手、本人の年収が180万円未満の場合
③障害年金を受けている人で、本人の年収が180万円未満の場合
については、健康保険などの扶養家族として認定を受けることができます。
扶養がはずれると国民健康保険へ
例えば
会社員の夫が配偶者である妻を扶養している場合において、妻の年収が年間130万円以上のケースでは、妻は夫の扶養からはずれることになり、妻は自分で国民健康保険に加入しなければならなくなる可能性があります。
国民健康保険で受けることができる医療費の給付について
国民健康保険で受けることができる医療費の給付については、以下のものが代表的なものとしてあります。
療養給付
病院で、診察・投薬・注射・手術・入院などの療養を受けることができます。
高額療養費
病気などによって、医療費が高額になり、一定限度を超える自己負担額を支払った場合において、申請をすることでその超えた分を保険で支払うことができます。
出産一時金
国民健康保険の加入者が出産した場合に、子供1人についき42万円の一時金が支払われます。
など、これ以外にも葬祭費などの複数の給付があります。
まとめ
外国人の方の国民健康保険や健康保険について考えてきました。
医療保険の制度以外にも年金や税金関係などもありますので、支払いを忘れていたということにならないように、注意していかなければなりません。
日本に滞在している外国人の方の参考になれば幸いです。